群青2 モノクロ第4話

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『可愛いよ』とまではさすがに言えなかったが、それなりに効果はあったらしい。 「……っ!」 キョトン。とした後、時間差でボンッと破裂する様に顔を真っ赤にさせた。 「なっ、今頃、なに言っ」 「さ。行こう」 「ちょ、洋史さんっ」 動揺した彼女が狼狽えている隙に、その手を引き、歩き出す。 「遅いです!言うの!」 「タイミング逃してさ」 「嘘!いっぱいありましたよ!」 「言って欲しかった?ごめん。気がつかなくて」 「そういうことは口に出さないものです!」 着物を着ている彼女の歩幅に合わせて歩くが、小さな彼女はそれでも俺に追いつかない。 繋いだ手に引かれ、足早に草履を鳴らした。
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