群青2 モノクロ第4話

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「ありました」 キーケースを取り出した彼女はそう言って俺を見上げ、両手を差し出す。 欲しいのは俺の右手にあるバスケットだろう。 「……」 「……」 見上げる彼女。 見下ろす俺。 「……」 「……」 しばし見つめ合い、どちらか片方が折れるのを待った。 ふわり。暗闇に浮かんだ白。 「どうぞ」 諦めて吐いた、俺の溜め息。 バスケットを受け取った彼女は「ありがとうございます」と満足げに礼を言い、小さく頭を下げた。 「バスケットは後で江茉さんに渡して」
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