群青2 モノクロ第4話

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頭頂部から左側頭部に手を移動させながら、短くなった彼女の髪にするりと指を通し、はらりと落とした。 恥ずかしがっている様な、困っている様な表情。 「違った?」 触れる物を失った指先を見つめ、尋ねる。 「……」 彼女からの返答はない。 「『環ちゃん』から言われたしね」 ふ。と、口元に笑みを浮かべる。 「やめるんでしょ?」 こういう所が、『ずるい』と言われる所以だろうか。 悔しそうに俺を見上げる彼女の目が、そう言っているように見えた。
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