群青2 モノクロ第4話

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他人にはまるで興味の無かった彼女が飯山さんを気にかける。 いい傾向だ。 ただ、そこに俺が絡んでいなければ尚更いいんだが 「『今、着きました』の後に『良かったです』と返したら、長い長い沈黙の後に『はい』とだけ返ってきたので、これはもう何かあったんだと思って」 そういう訳にもいかないらしい。 「それで起きて待ってたんですか」 「はい。竹さんからの言付けもありましたし。飯山さんと何かありました?」 「『何か』とは」 「それを聞いています」 「そうですか」 「言えませんか?」 「江茉さん」 「はい」 「それを無粋と言います」
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