群青2 モノクロ第4話

3/38
1550人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
何故、彼女にこんな話をしてるんだろう。 「ね?」 「……」 彼女の返答を急かすが、首を縦にも横にも振らない。 『やめる』と言った覚悟は中途半端なものだったんだろう。そんな様に感じた。 自分が自分に感じた疑問はひとまず後にし、彼女の唇から手を離す。 「もう少ししたら家まで送ります」 「いりません」 「落ち着いたら下に降りてきて下さい」 「……」 今までの女だったら、ここでキスのひとつやふたつ、更にはその先までしてやれば機嫌は直っていたかもしれない。 けれど、彼女は違う。 「幸先生にはこれっぽっちも未練はありません」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!