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三人のやり取りに聞き耳をたて、呆れ返っていると、胸ポケットの携帯が振動を始めた。
一定時間置いても止まることのないそれは電話の着信を意味している。
胸ポケットから携帯を取り出し、画面を確認した。
「……」
時間にしたら本当に1、2秒。その画面を見つめ、操作しようとした手を止める。
「はい」
その後、何事もなかったかのように電話に出た。
「あけましておめでとうございます」
江茉さんに冷たくあしらわれ、結局ゆずにも断られ、肩を落として自分のデスクに戻る佐藤を目だけで追いながら会話を続ける。
会社の電話でもいい筈なのに何故携帯にかけてきたのか疑問ではあるが、さして問題ではないだろう。
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