群青2 モノクロ第4話

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「乾課長。意地悪言っておいて笑わないで下さい。傷つきます」 「意地悪言ったつもりはないよ。いいんじゃない?抱き心地よさそうで」 「はい。セクハラいただきました」 「今『乾課長』じゃないし。そういうのが好きな男もいるだろう。って思ったから言っただけ。悪気はないから」 「かちょー、次の信号右です。かちょーしばらく真っ直ぐ走って下さい。かちょーそしたら公園が見えてくるので、そこの駐車場に停めて下さい」 「なんなの?それ」 「嫌がらせです。絶対セクハラにしてやろうと思って」 指をさして道案内する彼女の頬が膨らんで見えた。 「へぇ。じゃあ、これも?」 「ぎゃっ!」 その頬を人さし指で潰してやると、弾かれた様に飛んでいった彼女は助手席のドアにへばりつき、頬を押さえる。 「乾課長っ!からかわないでくださいっ!」 「課長じゃないって」 「いっ、乾さんっ」 「そう呼ぶから間違うんじゃない?」 「よ、…よう、じ……さん」
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