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「乾課長。意地悪言っておいて笑わないで下さい。傷つきます」
「意地悪言ったつもりはないよ。いいんじゃない?抱き心地よさそうで」
「はい。セクハラいただきました」
「今『乾課長』じゃないし。そういうのが好きな男もいるだろう。って思ったから言っただけ。悪気はないから」
「かちょー、次の信号右です。かちょーしばらく真っ直ぐ走って下さい。かちょーそしたら公園が見えてくるので、そこの駐車場に停めて下さい」
「なんなの?それ」
「嫌がらせです。絶対セクハラにしてやろうと思って」
指をさして道案内する彼女の頬が膨らんで見えた。
「へぇ。じゃあ、これも?」
「ぎゃっ!」
その頬を人さし指で潰してやると、弾かれた様に飛んでいった彼女は助手席のドアにへばりつき、頬を押さえる。
「乾課長っ!からかわないでくださいっ!」
「課長じゃないって」
「いっ、乾さんっ」
「そう呼ぶから間違うんじゃない?」
「よ、…よう、じ……さん」
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