1章

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うちの選考会議では、様々な職種の人が集まり、話し合う。人事だけではないというのがポイントらしい。 そんなのはどうでもいいが、滝本空という彼に一度どこかで会ったような気がする。そして、似たような感覚を覚えたような記憶がある。 「とりあえず、この人たちで選考はいいですね。選考結果を配送するので、俺はここで失礼するよ」 人事課長は忙しそうに去っていった。 いつもならここでおひらきになるはずが… 「ねぇ、岡田くん!あの俳優のノエルとバイト一緒ってどーいうことよ!?」 この質問攻め。やらかした、自分。 「そのままの意味ですよ。俺が大学生のときにあいつが今やってるモデル雑誌で読者モデルをやってて、そのときの同期なんですよ。歳も近かったし、すぐ仲良くなったってかんじすかね。 ノエル、弟の自慢ばかりだったから、印象に残ってて。」 そうだ、後でノエルに連絡入れとかないと。弟が俺のとこの会社に面接に来たこと。 「じゃあ、ノエルくんのアドレスとか色々知ってるの?」 「はい、知ってますよ。たまにあったりしますから。言っときますが、サインとかはもらいませんよ。それなら、新入社員になってからの滝本に頼みなさいよ。」 いきなり人が入ってきた。 「は!?空ちゃんここに勤めるの!?」 このうるさいのは俺の部署のやつで、ノエルの彼女である。 「そうだよ、うるせーよ、皆川。」 「いやーん、空ちゃんかわいーもんなー。先輩方、空ちゃんの可愛い写真見ますか?大学が一緒で前に撮ったのあるんですよー。」 俺も正直気になった。その写真は…
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