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「貴女こそ……俺のことを信じてないでしょう?」
強く掴まれた腕から――遥汰の熱が伝わってくるようで……
「だって……」
その熱に引きずられるように――
「だって、どうしたらいいの!? 私は……貴方を巻き込みたくないから!!」
関を切ったようにして感情が暴発する。
「なずなさんは……俺のこと、どう思ってるの?」
私の感情を鎮めるように、遥汰が優しく笑う。
「教えて? 俺のこと、欠片も思っていないのなら……ここで帰るよ。もう二度と……貴方には近づかないから……」
狡い言い方だと思う。
こんな風に――感情的になっている時点で、遥汰には全てわかっているはずで……
「狡い……。聞かなくてもわかってるくせに……」
「貴女の“言葉”で聞きたいんだよ」
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