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「……大好きよ」
その言葉を口にした瞬間。
涙が零れた。
「好きで好きで……どうしようもなく、貴方に惹かれてて……」
そこまで言った時――
遥汰が腕を引っ張り、息が止まりそうな程に、私を強く抱きしめた。
「嬉しい……」
遥汰がポツリと呟いた。
「貴女の口から……“好き”って言われることがこんなに嬉しいなんて……。俺は……貴女から離れられないよ……」
「だから」と遥汰が腕に力を込める。
「教えて欲しい。貴女の全てを。俺が貴女の全てを知って……拒んだ時は……」
“殺していいから”
それは迷いのない言葉――。
「貴女の全てを受け入れられない俺なんて……俺じゃない。そんな俺は……いらない」
「……何よ、それ。意味わかんない」
「うん、俺もなんか言ってて意味わかんない」
そうして、二人で笑いあい――
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