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「普通にしててよ」
「いや、そんなこと言ったってさ……」
ぶつぶつと呟きながら、遥汰がコーヒーをすすった。
少しだけ、沈黙が流れて――
どこか落ち着かないような、そんな空気が流れて――
「……ねぇ」
と、遥汰が問いかけるようにして、言葉を投げかけてきた。
「……教えてくれるんだよね?」
“貴女の……抱えている物”
遥汰の言葉に、ビクッと身体が固まる。
覚悟はできているはずなのに……。
いざとなると、全てを明かすことに……躊躇ってしまう。
「大丈夫。全て……聞くから」
私を励ますように、遥汰が優しく笑う。
その笑顔を見て、心を決めた。
コーヒーをテーブルの上に置き、ゆっくりと遥汰の前に立つ。
そのまま、着ているカッターシャツのボタンを外していった。
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