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「え!? ちょっと!? なずなさん、何をやってるの!?」
あわてて、遥汰が立ち上がり、私を止めようと動いた。
「遥汰君……。座って」
静かに、威圧するようにそう言うと、遥汰が落ち着きなく、ベッドに座り直した。
ボタンを全て外し、カッターシャツを脱ぎ捨てる。
パサリと――
静かな部屋にシャツの落ちる音が響いた。
下着とジーパンだけの姿で、遥汰に背中を向ける。
「……遥汰君。これが……私のもうひとつの姿……」
遥汰の視線が背中に注がれる。
「私のもうひとつの名前は……蜥蜴」
“火蜥蜴(サラマンダー)”
“全てを焼き尽くす――焔の龍”
遥汰が――息を飲むのがわかった――。
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