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「仲直り……か……」
佐和さんに言われたことをポツリと呟いてみる。
できるものなら、してみたい。
けれども、それは到底かなわない望みで……
どうして……出会っちゃったんだろう……。
どうして……
遥汰のことが好きになってしまったんだろう。
コンロの上がぼんやりと滲んでいく。
――ああ、もう!! ダメだ、ダメ!!
気がつけば泣いている自分を鼓舞するように、パンっと頬を叩き、頭を振った。
そうして、ある一つのことを決意する。
――辞めよう。
辞めるのは、佐和さんのお店――。
――帰るんだ。闇の世界に。
私がもともといた世界に――。
光に憧れて、光に身を置くことは……もう、辞めよう。
遥汰との縁が切れたのが良いきっかけになった。
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