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それが一番最良の方法――。
私は……光の中に居てはいけない人間。
また誰かを遥汰みたいに傷つける前に――
闇の世界に帰ろう――。
そう思い、もう一度頬を叩く。
「あら、気合い入れてるんですか?」
いつの間にか戻ってきていた佐和さんに「はい」と笑いながら答える。
「頼もしいわ、なずなさん」
ニコニコと笑っている佐和さんを見ていると、再び涙が溢れてきそうになる。
こんな穏やかな日常が――ずっと続けばよかったのに……。
佐和さんと笑いながらお店で仕事して、遥汰がそこに来て……。
佐和さんの笑顔を見ながら、もう、二度と触れることがかなわないだろう光を噛みしめるのだった――。
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