act.18 龍と人の哀

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「……久しぶり」 はにかんだように笑う顔に――夕日が照らされて―― それは哀しいほどに綺麗な笑顔で…… 「よ……うた……君」 かすれたような声しか出てこない。 声を出せば。 そのまま、泣き叫んでしまいそうで…… 遥汰にすがってしまいそうで…… その綺麗な笑顔を見つめることしかできない……。 「元気だった?」 優しい声で聞いてくる。 遥汰の頬――唇の横に貼られたバンドエイドが痛々しくて―― 「あ、これ?」 照れたようにバンドエイドに触り、遥汰が説明する。 「大丈夫。顔はたいしたことないから」 「……顔?」 思わず聞き返すと、遥汰は照れたまま、頭をかいた。 「あの人……。喧嘩慣れしてるの? 病院に行ったら言われた。“肋骨にひびが入ってるよ。誰と喧嘩したの?”って」
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