act.19 契り

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「私はね……。男に愛して貰いたくて、ただそれだけの為に――言われるままに人を殺し続けてきた――」 “最低な女なの” 「矜持も……美学もない。ただ、愛されたいっていうエゴだけで、無関係な人間の命を奪ってきたの……」 「これでわかったでしょう?」と――冷酷な笑みを浮かべ―― 「私っていう人間がどんなものなのか」 遥汰は、何も言わない。否――言えないのだろう。 「遥汰君……。貴方はなんて答えてくれる?」 遥汰の視線が……全てを知ってしまった遥汰がなんて答えるのか―― その言葉が――とても怖くて―― 身体が今にも震えてしまいそうで――。 いつの間にか、日は沈んでいて。 明かりのない部屋で。 どんな表情をしているのかわからない遥汰――。 怖い――。遥汰を失うことが怖い――。 闇の中―― 遥汰がゆっくりと近づき、言葉を紡いだ。
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