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「私はね……。男に愛して貰いたくて、ただそれだけの為に――言われるままに人を殺し続けてきた――」
“最低な女なの”
「矜持も……美学もない。ただ、愛されたいっていうエゴだけで、無関係な人間の命を奪ってきたの……」
「これでわかったでしょう?」と――冷酷な笑みを浮かべ――
「私っていう人間がどんなものなのか」
遥汰は、何も言わない。否――言えないのだろう。
「遥汰君……。貴方はなんて答えてくれる?」
遥汰の視線が……全てを知ってしまった遥汰がなんて答えるのか――
その言葉が――とても怖くて――
身体が今にも震えてしまいそうで――。
いつの間にか、日は沈んでいて。
明かりのない部屋で。
どんな表情をしているのかわからない遥汰――。
怖い――。遥汰を失うことが怖い――。
闇の中――
遥汰がゆっくりと近づき、言葉を紡いだ。
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