act.19 契り

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“泣くなよ” ――それは、全てを包みこむような優しい声で。 “もう……泣かなくていいから” 闇の中でもわかる。 遥汰がどんな表情をしているのか。 “言っただろう。俺が貴女を守るって” “貴女を泣かすものから守るって” “泣かなくていい” “俺が……貴女を受けとめるから” “貴女の哀しみを笑顔に変えてみせるから” 『泣かなくていい。俺が貴女の側に居る。貴女の側に居させて欲しい』 『貴女を独りにしない。独りで泣かないで』 『俺が貴女を――』 『守るから。愛してるから』
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