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“泣くなよ”
――それは、全てを包みこむような優しい声で。
“もう……泣かなくていいから”
闇の中でもわかる。
遥汰がどんな表情をしているのか。
“言っただろう。俺が貴女を守るって”
“貴女を泣かすものから守るって”
“泣かなくていい”
“俺が……貴女を受けとめるから”
“貴女の哀しみを笑顔に変えてみせるから”
『泣かなくていい。俺が貴女の側に居る。貴女の側に居させて欲しい』
『貴女を独りにしない。独りで泣かないで』
『俺が貴女を――』
『守るから。愛してるから』
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