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「な……何を言ってるの? 私の話……聞いてた!? 私は……」
「貴女は貴女だ」
迷いのない言葉。
「正直に言えば、信じられないっていうのが本音。貴女が今、俺に教えてくれたこと。信じられないし……信じたくない」
「でもね……」と闇の中から、遥汰が手を頬に添えてきた。
「話してくれている間……貴女が泣いているのがわかったから……。泣くのを我慢しながら泣いているのがわかったから……」
遥汰の手からぬくもりが伝わる。
「やめて……」
そのぬくもりが――恐怖に変わる。
ぬくもりが失われることに――怯える私がいる。
「どうして!!」
その手を強く払いのけ、その場にしゃがみこむ。
「どうして貴方はそんなに優しくしてくれるのよ!! 優しいのよ!! 言ったでしょう!? 私は最低な女だって!! 私には貴方から優しくされる資格も価値もない女なのよ!?」
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