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「“君のことを愛してる”“君と幸せな家庭を築けたらなぁ”……私によくそんなこと言って……凄く優しくしてくれて。仕事が忙しいからって、相手の都合で会って。資金繰りが上手くいかないからって……お金を借りるようになってきて……」
過去の馬鹿な女の話を――
遥汰は黙って聞いてくれる。
「でも、いつかは一緒になって、幸せな家庭を築くんだからって信じてて……。ある日、捨てられた……」
「別に女が居たのよ」と遥汰に、極力明るく笑ってみせる。
「いや、もともと居たのかな? 私とは別の本命の人。“私とは遊びだったの? 私は都合の良い女だったの?”ってなじったら、なんて言ったと思う?」
“お前……重いんだよな。お前のそういうところが嫌になったんだよ。お前も子供じゃないんだ。割りきれよ”
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