act.19 契り

8/15
前へ
/15ページ
次へ
「どこでどんな風に私のことを調べたんだか……。面会と称してやってきたあの男は、私にこう言ったわ」 “お前のような女を探してたんだよ” “お前みたいな――激しくて、周りを焼き尽くすような焔を纏った女” “選べ” “このまま生きたまま死んだような未来を送り、朽ち果ててもいいのか?” “俺なら、お前の持つ焔を生かす場所を与えてやれる” “選べ” “――俺の手を取れ” “お前の全てを――俺が引き出して――生かしてやる” 「……拒絶なんてできるわけないじゃない」 苦笑しながら、遥汰にとつとつと語る。 「何をどうしたのか知らないけど……。刑期の終わってない私を引き受けて、佐多は私の飼い主になった。そのままある組織に連れて行かれて……血を吐くような訓練に耐えて……」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加