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下はともかく、上ははっきり言って見た目がやばい。とにかく大きいし、ブラ着けてないのがひと目で見て取れる。
「興奮した男がパンツとかブラをポケットに突っ込んでそのまま持ってっちゃうんですよね。おかげで何枚あっても足りない…。以前は人の目に入るもんだからってそれなりのものを身につけてたけど、すっかり高価いの買わなくなったなぁ。通販の安いので充分。男なんてどうせこんなのの値段なんかわかりっこないんだし」
何の話してんだ、この子?
途方にくれながらも、ジーンズを上げた時に痛そうに顔を顰めたのが気になった。わたしは彼女を手で押しとどめる。
「ちょっと見せて」
背後に回って背中とお尻をさっと見せてもらい、引いた。結構な傷だらけだ。
「これ、痛いでしょう」
「ああ…、外でやると、やっぱりね。こんな薄いシートじゃ直の地面も同然だし」
確かに、膝をついてても結構小石が食い込む。
「よくこんなとこで出来るね」
思わず呆れてそのまま口にすると、彼女はそのストレートさに苦笑するように答えた。
「やってる時は夢中だからあんまり何も感じないんだけどね。…あ、今日、手も結構やばいな」
眉を顰める。わたしもつられて目をやり、息をのんだ。両手首に結構な痕がついてる。
「やっぱ風俗ライター連中なんか駄目だなぁ、こういうの。慣れてなくて下手くそだよね。ちゃんとしたプロなら痕がつかないように上手に痛くなく縛るのにさ」
そんな常識はよく知らない。…そうなの?
思わず手首に触れて、その肌の冷たさに手を引っ込めた。思えば春先とはいえ夜はまだそれなりに肌寒い。こんな時間帯に野外で一定時間全裸でいたんだから、身体は冷えきっているはずだ。
「あなた、家はどこ?お家の人は今在宅してるの。送っていこうか?」
内心まだ高校生なんじゃないか、との疑いが消えないまま尋ねると、彼女は首を横にぶんぶんと振った。
「だから、もう長いこと一人暮らしだって。とっくに独立してるんだってば。…尤も家は今、ないけど。とにかく全然帰らないから家賃もったいなくて。こないだ契約切れたあと、新しい部屋見つける気がしなくてさ。全部荷物トランクルームにぶっ込んでそのままにしてる」
思わず眩暈がしそうになる。何なのこの子…、滅茶苦茶。
わたしはため息をついて彼女を立たせ、自分の上着で上半身を隠させた。思いの外寒い。よくこんな気温の屋外で裸になれるもんだ。
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