act.23 罠

10/18
前へ
/18ページ
次へ
「余計な世話だ……」 ピリピリとした空気が流れる部屋に、絶妙なタイミングで料理が運ばれ、銀狼が苦笑した。 「ま、そうだよな……。いらんおせっかいだよな……」 「とりあえず、飯食うわ」と銀狼が円卓の上の料理を取ろうと動くのと同時に、佐多が書類をバサリと手渡した。 「飯を食いながらでいい。その書類に目を通してくれ」 今度は佐多が煙草に火を着け、煙を燻らせる。 黙ったまま、銀狼が書類を捲っていく。 「……これ、どこの依頼?」 銀狼が眉間に皺を寄せながら、佐多に問う。 「こいつ……明らかにかたぎだろ? 経歴も綺麗だし……。写真だけの印象だからなんとも言えないけど……何かやらかして恨みを買ってる雰囲気もない」 「なんだよ、これ……」と再度、怪訝そうに銀狼が呟く。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加