act.23 罠

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「……仕事だ。お前に頼みたい……な」 その一言で言わんとしてることがわかるだろうといった風に、佐多が笑う。 「仕事……。断ると言ったら?」 「構わないが……上の連中を説得するのはお前がやるんだな」 「上も了承済みってか……。俺に拒否権ないじゃん」 「そういうことだ」 佐多の言葉に銀狼が舌打ちする。 「わぁったよ。気は進まねぇけど、やってやるよ」 「ただし」と銀狼が佐多を睨み付け―― 「理由、説明しろ。オッサン、なんか隠してるだろ?」 「何も隠してねぇよ」 「嘘つけ!!」 銀狼が書類に添付されていた写真を佐多に投げ飛ばす。 ヒラリと佐多の前に落ちた写真を顎で指し―― 「何者なんだよ、その東野遥汰って男は?」
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