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それをどこか楽しむかのように、二人は会話を続ける。
「んで。話の主旨がズレてきてるようだけど。このお兄ちゃんは何者なの?」
銀狼の問いに、佐多が単刀直入に答えた。
「蜥蜴にちょっかい出してる男だ」
佐多の答に、銀狼が舌打ちを返す。
「読めた……。そういうことかよ……」
腕を組み、嫌悪感を顕にする銀狼に対して、佐多が口角を歪める。
「言っただろう? 組織にとって、お前も蜥蜴も必要不可欠な人間だと。蜥蜴が足を洗うということは……組織にとっては大きな損失となる」
「だから、その損失の原因を排除する。それが俺の役目ってこと?」
「察しが良くて助かるよ」
嬉しそうに笑う佐多に、再び銀狼が舌打ちする。
「ほんっと。やることがえげつないっていうか……汚ねぇよな、オッサン」
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