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「誉め言葉として受け取ってやる」
銀狼がこれ見よがしにため息を吐いた。
「なずなちゃん、このこと知ってるの?」
「アホか、あいつが知ってるわけないだろ」
「だよなぁ……。知ってたら……なずなちゃんの性格なら、死ぬ気で止めてくるだろうからな……」
「ああ、気が乗らねぇ」と銀狼が佐多を睨み付ける。
「ほんっと、やり方がえげつないよ、オッサン。なずなちゃんが先に組織に申請を出す前に、牽制をかけたんだろう?」
「俺は上の連中に意見を進言してきただけだ。蜥蜴が組織を抜けるのは……大きな損失になるってな」
「それがえげつないって言ってんだよ!!」
銀狼が円卓を強く叩いた。
「なずなちゃんを蚊帳の外に置いて、なずなちゃんの意見を無視して、勝手に話を進めて……」
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