act.23 罠

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「俺は基本的に女性の味方だから。わかる? サタタがなずなちゃんに優しくしてやれないなら……俺、容赦なくサタタからなずなちゃん、取り上げるからね?」 「……やれるもんならな。お前には無理だろうけどな。アイツはどんな男にもなびかん」 「“東野遥汰”」 銀狼が意地悪く笑いながら、強調する。 「彼、以外は……だろ? 遥汰君にはなびいた。サタタじゃなくて、彼には」 「黙れ」 威嚇するように、睨む佐多に対して、銀狼は苦笑しながら肩をすくめた。 「ほんっと、素直じゃないよね、サタタは。まぁ、いいや。報酬はいつものように。前金を振り込んどいて」 そのまま、銀狼は部屋を出て行った。 一人残された佐多が老酒を口に含む。
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