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表情一つ変えない女に、男が肩をすくめる。
「あ、そう。じゃあさ……」
男がニヤリと笑い、女の腰に手を回す。
「仕事が終わったらさ……デートしない? あ、今からでもかまわないんだけど?」
男の言葉に女がクスッと笑った。
「“銀狼”様……」
女は、わざと名前を強調して微笑む。
「佐多様がお待ちです。まずはそちらを済ませてから……」
銀狼と呼ばれた男が苦笑しながら、女の腰を引き寄せる。
「サタタなんてどうでもいいよ。俺、オッサンと二人で飯なんて食いたくねぇし。それより、君とデートの方が有意義な時間を過ごせる」
「銀狼様?」
女がたしなめるように首をかしげた。
「ああ、ハイハイ。わかりましたよ。サタタとお食事してお仕事すればいいんでしょ?」
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