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これを手に入れるまで時間が掛かった。
調べていく中で父は警察の人間だということが判った。
しかし、その所属は不明。
そう考えていくと警察の内部の何者かに消されたと推測出来る。
そして、その犯人は……
「やっと見つけた」
口に付けたカップを外した。
瞳が捕らえた顔には、やはり見覚えがある。
「こんにちは」
向こうも見付けられたのではなく、見付けらえるようにしたことは流石に気付いているようだ。
「お久し振りです。その節はどうも」
「悪いね。今日はお土産無いんだ」
胡散臭い笑顔。
「いえ、もう子供ではないので……」
「そうだよね。えっと、ここ座ってもいいかい?」
手でどうぞ、と向かいの席を進める。
一礼してからそこに座る。
「お待たせ致しました」
間も無く、一杯のコーヒーが置かれる。
拒否したとしても、初めからここに座るつもりだったのか。
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