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「本当にお父さん言った通りだね。君は天才だ。
何でも一度見たモノは完璧に覚えてしまうらしいね」
父は余計なことまで相手に言っていたようだ。勿論、それは嘘ではない。
「ただ、見たモノに限りますよ?」
それだけの能力を持っていたって役に立ったことはほんの数回だ。
「いや、君は本当にお父さん似の天才だよ」
父を知っている人にそう言われるのは悪い気分ではない。
本当にそうならだが。
「君のお父さんは有能だったよ。だから、羨ましく思われると同時に疎ましく思う奴も現れた。
飛び抜けた才能を持って出た杭は打たれず、抜かれ、淘汰される。
―――解るかな?」
そんなの解りきっている。
軽く頷いて肯定する。
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