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「解っていないよ。君も有能過ぎて、邪魔なんだよ」
語尾に怒気が含まれている。遂に本性を現したというところか。
「私も殺すということですか?」
「殺すなんて物騒な。だって死因は自殺だよ? 例えば、いつも飲んでいるブラックコーヒーに毒を盛って、ね……とか?」
互いに笑い合って、二人で冷めたコーヒーを飲む。
「話は少し戻りますが、私は父似と言われたこと無いです。どちらかと言うと母似と言われます」
「ん? まぁ、それは君が女の子だからではないかな? 才能は確実にお父さん譲りだよ」
唐突な話にもそれなりに答えてくる。
「そうですか?
とにかく、あの火事で私の両親は死にました。だけれども、話はそれで終わりません」
そろそろ真実を語らなくてはいけない。
「どういう事かな?」
「本当にややこしい話です。つまり、火事で私の本当の父が死にました。
しかし、貴方が言っている父は死んでいません」
「悪いが話に全くついていけないんだけど」
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