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「わかるか?」と――マルムスは私に問いかける。
「はい……」
それしか言えないが、それで充分だったのだろう。
マルムスが満足そうに頷いた。
「マルムスさん。カイトのこと……よろしくお願いします。そして伝えてください……」
“カイトは違うって言ってたけど、カイトはやっぱり優しくて……。だから、あなたの優しさに甘えてしまって、あなたを傷つけてしまって……ごめんなさい。そして、ありがとう”
「わかった……。伝えとく」
マルムスが私の顔を見ながら、破顔した。
「カイト君と叔父貴が惚れるわけやな……。エエ女やな、あんた。ずっと一緒に居ったら……俺も惚れてたかもわからんな……」
そうして佐多を見る。
「ほな。叔父貴。邪魔もんはそろそろ消えるわ。こっから先は俺らは介入せん。それでエエな?」
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