26人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ……。いろいろ悪かったな……」
「いや、かめへんよ。俺、カイト君もやけど、叔父貴の不器用なとこ、好きやねん。不器用でも一生懸命な人間……大好きやから」
「ぬかせ」
佐多が苦笑する。
「ほな。行くわ。叔父貴……無茶だけはすんなよ。年寄りの冷や水は厳禁や」
そう軽口を叩き。
お辞儀をして、マルムスは去って行った。
マルムスが居なくなり、一瞬の沈黙の後――
「知らせがあったんだよ。マルのやつから。俺の弟分を巻き込まんといてくれって。あのガキを抱き込むのは……ルール違反だろ？ 蜥蜴？」
佐多が冷たく笑いながら、私を見据える。
「何がルール違反じゃ!! 先に遥汰君を巻き込んだのはあんただろうが!!」
千冬さんが佐多を恫喝する。
最初のコメントを投稿しよう！