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「生きる世界が違うんだと。お前らが生きる世界は違いすぎる。それに気付いた時に傷つくのは……お前だと……俺は言ったはずだ」
こんな時に……
こんな時にわかってしまう自分が悲しい――。
確かに私は……遥汰を愛した。今でも愛してる。
けど……。
なぜ、今、気付いてしまったのか……。
佐多の言葉の中に――私を思いやる優しさが感じられて――。
憎くて憎くて――でも愛しくて――。
遥汰を愛しながら――それでもこの男を愛してる――自分が悲しくて、惨めで、憎くて――。
「ざっけんなぁぁ!!」
ぐるぐると巡る感情を断ち切るように、千冬さんが声をあらげた。
「私もあんたに言ったはずたよ!?“なっちゃんには幸せになってもらいたい”だから引いて欲しいって!!」
千冬さんが八雲さんの制止を振り切り、佐多に掴みかかる。
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