act.26 焔

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マスター――寺鷹が私と佐多を交互に見ながら、微笑んだ。 「珍しい取り合わせですね……」 「なにがだよ?」 「いえ、御二人でこちらに来られるなんて……珍しいので、つい……」 困ったように笑う寺鷹に、佐多が笑い返す。 「そんなことはどうでもいい。預けてたものを出してくれ」 「佐多様のですか?」 「ああ」 「本当に珍しい……。貴方が僕に預けているものを引き出すなんて、よっぽどの相手かと……」 「ああ……」 そう短く言って、私の方を見る。 「なんせ、相手はこいつだからな……」 「……は?」 寺鷹が怪訝な表情をしながら、私を見る。 「俺の相手をするのは蜥蜴だと言ったんだ」 「それは……」 「余計な詮索は無しだ、寺鷹。俺とこいつ……二人分。預けてあったものを出して欲しい」
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