act.26 焔

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ゆっくりと弾丸を装填していく。 互いに銃を扱う音だけが響き、その合間をぬうようにしてシャンソンが流れていく。 身体の体温が徐々にあがっていく。 佐多と私の息づかいが重なっていく。 そこには、感情を越えた何かがあった。 「……よし」 佐多が拳銃を懐にしまい、視線だけで外に出るように促した。 それに無言でうなずき、外に出ていこうとした時だ。 「待ちなさい」 寺鷹が声をかけてきた。 「……どうぞ」 カウンターの上に差し出されたものは、深い蒼に彩られたカクテルだった。 「……なんだ、これは」 怪訝そうな佐多に対して、慇懃な態度を崩さず―― 「僕からのサービスです。どうぞ」 「サービスって……お前な、俺達は今から……」
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