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感情の赴くままに、言葉を発するカイトに対して、佐多が失笑した。
「……殴るはともかく。タクシー代ってなんだよ?」
「やかましい!! オッサンには関係あれへん!!」
カイトの勢いは、今にも飛びかからん勢いで――。
「これは、俺と蜥蜴ちゃんとの約束やねん!! オッサンにも兄貴にも……関係のないことや!!」
「ええかげんにせぇや!!」
カイトの言葉に被せるようにして、兄貴分の男が怒鳴り付ける。
「これはな……カイト君だけの問題やないんや!! 介入して、どちらかに加担すれば、パワーバランスが崩れる!! ここら一帯……いや、全体を巻き込む争いに発展しかねん!!」
そうして……悲しげに呟く。
「カイト君の気持ちもわかる。その人を……好きなんやろ? 好きな人を守りたいんやろ?」
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