act.26 焔

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「カイト!!」 敢えて、突き放すように―― 敢えて……冷たく言い放つ。 カイトを巻き込んではいけない。 カイトには――カイトの未来があって、進むべき道が見えている。 カイトのことを心配している――目の前の男の為にも。 ここでカイトと決別しなければならない――。 「カイト……。貴方には関係ないから。その人と……一緒に帰りなさい。貴方とは……もう、これで。ここで最後にしましょう。二度と!! 私の前に現れないで!!」 「と……かげ、ちゃん……」 子供が母親に―― 姉にすがるようなその表情が私の胸を締め付ける。 「カイト君……。帰ろ? アニキもな、待っとるから。帰ったらカイト君の好きなもん、作ってあげるから。ごはん、食べてへんのやろ? 何が食べたい?」 兄貴分の男が、カイトの肩を優しく抱く。
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