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「あんたは自覚ないかもわからんけどな……。あんた、多分……“魔性”やな」
「魔性って……」
無理もないが……初対面なのに、随分な言われようである。
「あ、魔性って誉め言葉やで? なんちゅうか……あんたの為なら、命すら惜しくないっていう雰囲気があるっちゅうか……。破滅しても構わないっちゅうか……」
マルムスが複雑そうに笑いながら、続ける。
「現に、カイト君は相当あんたにイカれとる。カイト君だけやないな。叔父貴も相当イカれとるやろ?」
マルムスがニヤニヤしながら佐多の方を見ると、佐多が憮然とした表情のまま、横を向いた。
「でもな……」とマルムスは寂しそうに呟く。
「俺、カイト君は破滅させたないねん。カイト君が望んでも、それはイヤやねん。俺、カイト君のこと、かわいくて仕方ないから……」
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