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それは……
もう二度と。
装填しまいと思っていた銃に弾が込められるような感覚――
身体中に焔が纏われ――
力の限り腕を引っ張り、片方の手がベルトから離れ――
「……!?」
佐多の驚愕したような表情が目の中に焼き付く。
自由を取り戻した片方の手で佐多の首を掴んだ。
身体中の体温が佐多を掴む手に流れていくようで――
ギリギリと佐多の首を締め上げていく。
もう片方の手もベルトから離れ、猿轡を取り、唸るようにして佐多に言葉を告げる。
「……返せ」
「……っ!!」
佐多の顔が歪む。
「返せ。その指輪は……あんたが持っていていいもんじゃない。それは……彼が私にくれた光そのものなんだ!! 遥汰の魂そのものなんだ!! あんたが持っていていいもんじゃない!!」
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