act.27 哀と愛

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「……何で、隙を作ったの?」 「隙……?」 佐多がニヤリと笑う。 「嫌味な女だ……。隙なんか作った覚えはねぇよ……。お前さんの方が……上手だった……。それだけの話だよ……」 佐多がガクリと身体を傾け、膝をつく。 佐多の腹からにじみ出る血を見ながら―― 寺鷹から貰い受けていた銃を手に―― まとわりつくような硝煙の匂いを感じながら―― ポタリと。 私の頬に涙がつたい落ちた。 「……ウソつき」 「ウソじゃねぇ……。マジだ……」 からかうように笑いながら、佐多が地べたに転がった。 「ははっ……。けど……なんかすっきりしたな……。ああ、悪くない」 「ほら」と何かを投げて寄越す。 受け取って見れば―― 「……指輪」 「遥汰君から貰った大事なものなんだろう? 簡単に手離すなよ。無くしても知らねぇぞ」
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