act.27 哀と愛

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―――――― (らしくねぇよなぁ……) 苦笑しながら、痛みに耐え、佐多はクラウンに寄りかかりながら、煙草を取り出した。 煙草をくわえ、舌打ちをする。 (……火。ライター、車ん中だ。……ったく。肝心な時になんで手元にねぇかな……) そう、自分に毒づいた時だ。 コツコツという小気味良い音と―― 「……こんな時に、よぉ、煙草吸おうなんて考えつくな……」 呆れたような声。 「こんな時だから吸いたいんじゃねぇか。わかってねぇな。ガキんちょ」 佐多が笑いながら目を向けた先――。 カイトが立っていた。 「てなわけで。火、持ってねぇか?」 「持ってへんわ」 「なんだよ……。使えねぇガキだな……」 「ぼろぼろのオッサンから言われたないわ。つか、俺、禁煙派やから。ストップ・ザ・煙草の人やからね」
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