act.27 哀と愛

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「本当に……寺鷹もお前も甘すぎる」 また、一瞬だけ首を絞められ、意識が遠退く。 「互いに慈しみ、愛を築く道? あり得ないだろう。あるとすれば……」 “服従か死” 佐多の顔を睨み付けると、佐多が鼻で笑った。 「蜥蜴」――と。 佐多が優しい声で語りかける。 「俺はな、俺なりにお前のことは認めてるし、愛しい。愛しくて愛しくてたまらない」 “だから” “二度と他の男に目移りなんかしないように” “もう一度” “身体ごと思い出させてやる” “お前の何もかもを知り尽くして、引き出せるのは” “この俺なんだってこと” そのまま、噛みつかれるようにして、唇を重ねられ―― 「……っ!?……ふ……あ……」 呼吸を制限させられながら、唇を重ねられ―― 息ができない――。
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