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「本当に……寺鷹もお前も甘すぎる」
また、一瞬だけ首を絞められ、意識が遠退く。
「互いに慈しみ、愛を築く道? あり得ないだろう。あるとすれば……」
“服従か死”
佐多の顔を睨み付けると、佐多が鼻で笑った。
「蜥蜴」――と。
佐多が優しい声で語りかける。
「俺はな、俺なりにお前のことは認めてるし、愛しい。愛しくて愛しくてたまらない」
“だから”
“二度と他の男に目移りなんかしないように”
“もう一度”
“身体ごと思い出させてやる”
“お前の何もかもを知り尽くして、引き出せるのは”
“この俺なんだってこと”
そのまま、噛みつかれるようにして、唇を重ねられ――
「……っ!?……ふ……あ……」
呼吸を制限させられながら、唇を重ねられ――
息ができない――。
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