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脚を割るようにして、佐多の膝が私の下腹に押しあてられ。
身体がびくりと固まる。
佐多の顔が歪み、唇をさらに求められ――息ができない――。
苦痛の中に、甘美な感覚が交ざり、全身から力が抜ける。
「蜥蜴……」
耳元で囁かれた。
「お前の運命を握るのは……組織じゃない。ましてやあの若僧どもでもない……」
耳を噛まれ、声をあげる。
「組織もバカじゃない。お前という女がどんな女か。熟知している」
“だから言われたんだよ”
“いっそ、男共々、処分しろ”
「そんなこと……させてたまるか。あの若僧と心中させてたまるか!! 生死を共にする程に……愛を貫かすだと? お前をあの若僧に渡しはしないさ、蜥蜴……」
これは――愛なのか。
それとも狂気なのか。
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