act.27 哀と愛

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脚を割るようにして、佐多の膝が私の下腹に押しあてられ。 身体がびくりと固まる。 佐多の顔が歪み、唇をさらに求められ――息ができない――。 苦痛の中に、甘美な感覚が交ざり、全身から力が抜ける。 「蜥蜴……」 耳元で囁かれた。 「お前の運命を握るのは……組織じゃない。ましてやあの若僧どもでもない……」 耳を噛まれ、声をあげる。 「組織もバカじゃない。お前という女がどんな女か。熟知している」 “だから言われたんだよ” “いっそ、男共々、処分しろ” 「そんなこと……させてたまるか。あの若僧と心中させてたまるか!! 生死を共にする程に……愛を貫かすだと? お前をあの若僧に渡しはしないさ、蜥蜴……」 これは――愛なのか。 それとも狂気なのか。
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