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屈辱と快感が頭を痺れさせる。
もう……このまま堕ちてしまえと何かが囁く。
涙が零れて――頬をつたい落ちるのは何故なのか……。
一時は、本気で愛した男から――。
屈辱的に押さえつけられ、良いようにされている自分に対してのふがいなさからなのか。
それでも感じてしまう自分の性が悲しいからなのか。
「……泣くほど嬉しいのかよ」
つたい落ちる涙を拭う佐多の手は、これ以上ないぐらいに優しくて、温かくて。
頭が霞む――。
“堕ちろ”
そう何かが囁く――。
「……っ!!」
なすがまま、与えられ続ける快楽に身を捩った時だった。
カツンという小さな音とともに、ズボンのポケットから光るものがこぼれ落ちた。
遥汰がくれた――
小さな指輪――。
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