3.転校~気に入らないヤツ~

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春休み終了後、神前悧羅の昂燿校へと 再び戻った俺は昂燿の寮内のパソコンから セキュリティーを掻い潜って学院内の情報をハッキングする。 足跡が付かないように気を付けながら。 この学校に通う学院内の生徒の情報は トップシークレットになってるものも多い。 その中から【徳力】に連なる苗字に絞って調べていく。 複数の徳力名簿の中から見つけ出すことが出来た徳力神威の名前。 * 徳力神威。 神前悧羅学院昂燿校入学。 初等部より海神校内部転入。 高等部三年間 外部校転出。 * 顔写真や家の情報を確認した後、 そいつの経歴にも似た、学院での痕跡を追いかけて行く。 一通り、徳力の家柄の事を調べ終わる頃、 俺自身のハッキングに気がついた学院以内のシステムの 自己防衛プログラムが作動していく。 一瞬のうちに消失していく画面。 慌ててキーを叩いて、そのシステムから抜け出すと USBを引っこ抜いて一息ついた。 もう何処にも俺が嗅ぎ回った足跡はついていない。 徳力の当主が学院には居ない。 だったら俺がこの場所に居る必要もないか。 ベッドにそのまま転がって携帯を引き寄せる。 表示させるのは倉智。 入学式を明後日に控えた俺は、 そのまま倉智へと転校手続きを依頼した。 アイツが向かったその学校へ俺も出向いて見極めてやるよ。 心の中は、いろんな感情が渦巻く。 だけど……何故か、そんなアイツとの出会いを楽しみに待つ俺自身も そこには存在する。 寮に入ったばかりだが高等部の間、 転校する旨をKINGと呼ばれる昂燿校の寮長へと告げると、 そのまま俺のデューティ-の元へと足を向ける。
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