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「倉智、影宮の元に
生贄になる日が決まったようだ」
わざと自虐的に告げる言葉。
「涼夜さま、生贄などとご自身を貶めるような発言はおやめください。
この世界を守るため涼夜さまは選ばれて影宮の元向かうのだと
倉智は何度も説明してきました。
朱鷺宮の御名を貶める為の戯言などに
惑わされることなく、涼夜さまの誇りを持って前に踏み出してください」
そう言いながら、倉智は車のドアを開けて
俺を車内に招き入れると運転室へと素早く移動して、
車を屋敷まで走らせ始めた。
背負った宿命(さだめ)の重圧の
本来の意味など考えもしないままに俺の運命は動き出していた。
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