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朝。
遮るものがない窓から差し込んだ陽の光が、否応無くワタシを睡眠から叩き起こす。
夢から覚めたワタシはまだ起きたくないと布団を被り抵抗するが、鼻から入り込むその匂いがそれを許さない。
今日も煙草。
また、あの人が来ていたのだ。
まだ隣の部屋に居る可能性がある。
ワタシの家の間取りは単純。キッチン付きの居間に、ワタシの部屋と父の部屋。その三つだけ。
ワタシは悟られないようササッと部屋から抜け出し、居間を通り抜け、全国民の大多数はするであろう朝の食事やら歯磨きやらをすっ飛ばして外に出る。
只今の時刻は午前七時。良い天気だ。
隣の銭湯に行き、いつものように洗面所を借りて歯磨きだけ済ませると、学校に向かって歩く。
今日も今日とて、何も変わらない一日が始まる。
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