act.29 最後の告白

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―――― 闇だけがあった。 俺の身体にまとわりつくような闇――。 どろどろして、冷たくて―― 眠っているのか、起きているのか、それすらわからなくて―― 確かめてみたいけれども、動くことがとても億劫で―― そのまま、横たわっている無気力な俺の耳に声が聞こえた。 “遥汰君――” ……なずなさん。 なずなさんの声がする――。 気力を振り絞り、声のする方を向くと―― そこに彼女はいた。 また……泣いてるの? “遥汰君……。ありがとう……” 泣かないで――。今――貴女の側に行くから――。 貴女を抱きしめて――貴女の涙を止めるから―― だから―― どうか、泣かないで―― “遥汰君……。あなたは私の最初で最後の愛する男” “愛してる――。今もこれから先も――” “ずっとずっと愛していくから”
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