第2章

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そんな会話をして、お互いの連絡先を交換して別れたのだった。 智之は社交辞令くらいに捉えていたのに、一週間後には香菜から「本を買ったからサインしてくれ」と連絡があったのには驚いた。 翌日、夕方前に近くのファミレスで待ち合わせをした。 そして香菜は本当に智之の本を片手にやって来た。 智之はファミレスで小さくなりながらも香菜の購入した自分の本にサインをすると、香菜は真剣な目で大事にするねと約束をした。 きっとこの時の香菜の眼差しに惚れてしまったのだと智之は思う。 自分の作品は、売れていても売れていなくても自分の分身みたいな物だ。 それを真剣に大事にすると言ってくれた異性に惚れるのは仕方ないだろう。
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