第2章

5/6
前へ
/17ページ
次へ
それから週に一度は香菜から連絡があり、香菜の仕事前や仕事が休みの日にはファミレスやカフェで会うようになった。 何度となくデートもどきを重ねる度に二人の距離は同級生から友達にランクアップを果たしたようだ。 お互い「トモ」「カナ」と呼び合う位には近しく、好きな物の傾向も分かり始めた。 あるカフェでいつものように待ち合わせをした時、ふいに香菜が言った。 「トモってコーヒー党だよね」 「まあ、紅茶よりはコーヒーかな。自分でも良く淹れて飲んでるし」 「お~。本格的なんだ」 「まあ、どうせなら美味しいの飲みたいしな」 「じゃあさ、今度飲ませてよ」 「コーヒーくらいなら何時でも飲ませてやるよ」 「やった!じゃあ早速今から!!」 「え?今から?!」 「思い立ったが吉日ってね~」 「は?え、マジかよ」 戸惑う智之を尻目にさっさと香菜はカフェの会計を済ませ、早く早くと店先で手招きをする。 その勢いに負けて、部屋汚くしてないよな?等と考えながらワンルームの小さな部屋へ香菜を迎え入れたのだ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加